WRXとWRX STIそれぞれの特徴
これまでの記事で私のインプレッサの選定基準やインプレッサの種類や特徴をご説明させていただきましたが、その中でインプレッサのグレードにおいて、「WRX」と「WRX STI」があるとお伝えさせていただきました。
両者ともエクステリアの違いはほとんど見受けられませんが、今回はその違いについて詳しくご説明させていただきます。
前回の記事でインプレッサの種類の違いについてご説明させていただいた中で、WRXとWRX STIの両グレードが特に明確となっていたのは初代インプレッサから2代目インプレッサであり、一体何が違うのでしょうか?
まず、WRXについてご説明させていただきますと、そもそもインプレッサは前回記事でもご紹介させていただとおり、1992年にSUBARU(富士重工業)が製造販売を開始した車種ですが、WRXは世界ラリー選手権大会参戦を目指し高性能を付加させたグレードでした。
なお、WRXの意味は世界ラリー選手権大会の英語訳、World Rally Championshipの略である「WRC」と1971年に発売されたインプレッサの基礎ともいえるレオーネが1982年に日本初の水平対向エンジンと4WD、さらにターボを組み合わせたモデルを発売し、翌1983年にスポーツモデルの「RX」を追加した「RX」を組み合わせて「WRX」と名づけられました。
ちなみに「インプレッサ」は「紋章」や「金言」を英語で意味する「Impresa」の造語で「若さ」や「軽快さ」、「スポーティー」というイメージを定着させ、新しい時代に「Impression」つまり「新鮮さ」を与える意味でも命名されたそうです。
次にWRX STIについてですが、表記の「STI」はスバルテクニカインターナショナル株式会社の英語表記、SUBARU TECNICA INTERNATIONAL INCの略称となっています。ところでスバルテクニカインターナショナル株式会社とは何でしょうか?
スバルテクニカインターナショナル株式会社を簡単にご説明させていただきますと、SUBARU(旧富士重工業)の子会社にあたり、主にモータースポーツの参画やパーツ開発、販売などを行っています。
話をWRX STIに戻しますと、SUBARU純正パーツをSTIパーツに置き換えたモデルが「WRX STI」となるわけです。要はSUBARU純正チューニングカーといった位置づけといった感じです。
ちなみに記事中にはすべてSTI記載となっていますが、販売当初は「STi」表記でしたが、2005年4月から会社名表記と同様に「STI」となっています。
そしてWRXとWRX STIの具体的な違いですが、WRX標準装着のフォグランプがWRX STIでは取り外され、特に初代インプレッサにおいてはフォグランプ装着部分にSTiマークの入ったフォグランプカバーが装着されていました。また、初代インプレッサのWRXとWRX STIの見分け方のひとつとして、グリル部分に装着されているエンブレムの色で黒がWRX、チェリーピンクがWRX STIとなっています。
また、WRX STIは鋳造ピストンやアルミ製のボンネットが採用されていて、WRXと比べてマフラーやリアスポイラーが大型になっているのも特徴的です。ただ、リアスポイラーの形状は2代目インプレッサのおいてはWRXでもWRX STIでもあまり違いは見受けられません。
さらに私が乗っているインプレッサWRX STI スペックCタイプRAのような限定車においては、リアスポイラーにGTウイングが標準装備されているが見た目の特徴で、車体の軽量化が重視されていて各ドアや窓ガラスの軽量化、リアワイパーレス、トランクルームにいたっては、社内にオープンスイッチがなくキーのみでオープンが可能なうえ、トランクルーム内はカバー等がなくスペアタイヤがそのまま入っている構造で、さらにインタークーラーウォータースプレイの12リットルウォータータンクが装着されているのが特徴的となっていて、よりレースカー仕様となっています。
乗り心地、走り心地の違い
これについては簡単に述べるとWRXが街乗り用、WRX STIがレース用と位置付けても間違いないといったところです。
というのも、WRX STIはWRXに比べて、各パーツにレース仕様が標準装備されているため、例えば足回りがしっかりしているのでサーキットを高速走行するのであれば性能を存分に発揮できるような装備になっていて街乗りすると路面から受ける振動がダイレクトに伝わってくるため、乗り心地が良いとは大声で言えないのが正直なところです。
私の場合、シートをフルバケットシートに載せ換えているため、さらに振動が身体に伝わりやすくなっていて、歳を重ねて長距離なんて運転すると背中や腰が痛くなる悲しさもあります。
性能に関していえば、エンジンのレスポンスは断然WRXよりもWRX STIの方が優れており、加速力やハンドリングも優れているため、走り心地という面ではWRX STIの方が勝っているといったところです。
尚、STIパーツは個別でリリースされているので、パーツの後付けや標準パーツをSTIパーツに載せ換えることも可能です。このため、WRXを購入してWRX STI仕様にすることができ、実際に中古車市場では、そのようにチューニングされたインプレッサが出ていることもあります。
ただし、明確にWRX STI仕様を目指したいといった場合、WRXを購入して後々パーツを交換して仕上げるよりも最初からWRX STIを購入した方が安上がりの場合もあります。
乗り出し価格は、圧倒的にWRXの方がWRX STIよりも安いですが、STIパーツを購入して交換を車屋さんなどで依頼した場合、高上りになってしまう場合があるということです。
まとめ
ここまでWRXとWRX STIの違いをそれぞれの特徴や乗り心地や走り心地を交えてお伝えしてきましたが、大まかに分けると、街乗りのWRX、走りのWRX STIと区別していただければ間違いないと思います。
販売台数などを見ると、いままでは圧倒的にWRX STIが人気でした。現行は前回の記事でもご紹介させていただいたとおり、車名からインプレッサを外してWRXの後継にあたるのがS4、WRX STIの後継にあたるのがSTIと位置付けられ、SUBARUの販売戦略がニーズにマッチしたのか、以前のようにWRXよりもWRX STIが売れたということはなくなりS4もSTIも良く売れているようです。
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