あなたは節分といえば、何を連想しますか?
パッと思い浮かぶものは「豆まき」かと思います。
近年では「恵方巻き」も一般的になってきましたね。
伝統的なものですと「柊鰯」なんてのもあります。
いずれも、邪気を祓い、福を呼び込むためと位置付けられているのは周知かと思います。
ところで、節分において「福の神」という言葉を聞いたことはありませんか?
豆まきにおいて「鬼は外!福は内!」という掛け声には「鬼を追い払ったので、どうぞお入りください」と福の神を家の中へ招き入れるという意味合いもあります。
ここで登場する「福の神」ってどんな神様か気になりませんか?
ここでは、そんな福の神について、福の神の役割や意味と由来などを含めて紹介しますので確認してみてください。
節分に登場する福の神とは?
福の神と一言で言っても実は、色んな福の神が存在します。
節分において有名な福の神と言えば、お多福ですね。
お多福に関しては、こちらの記事
でも詳しく紹介していますが、豆まきだけでは退治できなかった鬼をお多福が諭して鬼の暴走を止めるという狂言ネタに由来しています。
厳密にいうと、お多福はお面なので神様でありません。ただ、鬼の怒りを鎮めて暴走を止めたという救世主的な存在であるため、分かりやすく神と崇められています。
これとは別に福の神に指定されている神様としては、鯛を握っている姿で有名な「恵比寿」などで有名な「七福神」ですね。
具体的にどんな神様か分からなくても、あなたも一度くらい耳にしたことがあると思います。
七福神とは
「漁業の神様」の「恵比寿」
「農業の神様」の「大黒天」
「学問と縁結びの神様」の「弁才天」
「勝負の神様」である「毘沙門天」
「良縁と子宝の神様」の「布袋尊」
「福徳と長寿の神様」の「福禄寿」
「長寿と幸せの神様」の「寿老人」
の7人の神様で構成されています。
しかし、節分においては、これという福の神が定められているわけではなく、曖昧な部分もあります。
なので、あなたが今年、この福の神に来てもらいたいという気持ちをもって豆まきに挑めば、その福がやってくると解釈できます。
ただなんとなく、「鬼は外!福は内!」と豆まきをやるのではなく、意味合いを考えたうえでやることで更に奥深い豆まきができるはずです。
また、狂言の物語のひとつには、毎年、神社で豆まきをして年越しを恒例としている男二人が、福の神を祀る神社に参拝をする。
すると、男二人の前に福の神が現れて、「金持ちにしてやるから酒をくれ」と酒を要求。その要求に応えると金持ちになれる秘訣として「早起きをして、他人に優しくて客を拒むな。夫婦仲よくすることだ」と歌にして伝えたというストーリーもあります。
このように節分において様々な福の神が登場します。
ポイント
福の神=七福神
節分に登場する福の神の役割
さて、福の神がどんな神様か分かったところで、次に福の神の役割について紹介します。
前項でも軽く触れましたが、七福神にはそれぞれの役割を担っています。
節分においては鬼を追い払った後に家に迎え入れる神様と位置付けられていますが、それぞれの神様があなたの家へそれぞれの福を持ってきてくれると考えられています。
それぞれの福は以下のとおりです。
恵比寿:商売繁盛、五穀豊穣
大黒天:食物・財福
弁天才:愛嬌縁結
毘沙門天:融通招福
布袋尊:笑門来福、夫婦円満、子宝
福禄寿:長寿、幸福の徳
寿老人:長寿延命、富貴長寿
これらの福をそれぞれ持って鬼を祓った家にやってくる、つまりあなたの家に福をもたらすの福の神の役割となっています。
ポイント
各々の福をあたなの家へもたらすことが福の神の役割
節分に登場する福の神の由来と意味
最後に節分に登場する福の神の由来と意味について紹介します。
福の神は主に七福神であると先述させていただきましたが、日本、インド、中国に伝わる民間信仰の組み合わせによって誕生しました。
七人になったのは室町時代で中国の竹林の七賢という7人の賢者が元になったとされています。
ちなみにそれぞれの七福神の由来は、日本が恵比寿、インドが大黒天、毘沙門天、弁才天、中国が寿老人、福禄寿、布袋尊となっています。
このように構成された七福神も節分においても福の神としての意味を持つこととなっています。
節分に登場する福の神とは?のまとめ
いかがだったでしょうか?
なかなか奥深い内容ではないでしょうか。
単に節分の豆まきは鬼を追い払うものだと思っていた場合は、「鬼」だけでなく「福」に重点を置いてみると違った節分が見えてくるかと思います。
節分ひとつにしても多くの要素が組み合わさってできあがった日本の伝統文化だと思えます。
ぜひ、こういった内容にも着目していただき節分を楽しんでみてください。
あなたの家にも福の神がやってきますように。
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